It's Over 9000!
https://www.youtube.com/watch?v=SiMHTK15Pik
『ドラゴンボールZ』の第28話は、カナダのアニメ制作会社オーシャン・プロダクションによる英語版シリーズの第21話にあたり、敵役であるサイヤ人・ベジータの声をブライアン・ドラモンドが演じているが、このミームのもとになったセリフはオリジナルから改変されている。オリジナルの日本語版はもちろん、アニメの原作である漫画の英語版でも、ベジータは主人公の孫悟空の戦闘力について9000ではなく「8000以上だ…!」(over 8000!)と叫ぶ。 「It's Over 9000!」のセリフの前後を切り抜いて再構成した動画が最初にYouTubeにアップロードされたのは2006年10月17日である。日本語音声を前提につくられているベジータの口の動きのアニメーションが、ドラモンドが吹き替えた英語音声にも馴染んでいることを面白がるという趣旨だったが、Kajetokunは、友人に見せる内輪のネタとして動画をアップロードしたはずが翌日には再生数が2万回を超えて驚かされることになった。この動画は後にウェブコミック「VG cats」のホームページからリンクされて再生数は10倍に伸びた[2]。 そしてIt's Over 9000!はミームとしての認知度が急上昇し、YouTubeにはほかにも様々なMAD動画がアップされたり、4chanにデモチベーターの画像が投稿された[3]。2007年には4chanのモデレーターが、数字の7が入った書き込みがされたら「over 9000」に変換する単語フィルターを導入したため、インターネット・ミームとしてかつてないほどの悪名をはせた[3]。Over 9000!を題材にした動画の再生数は最も多いもので1500万回に達し、そのほかのパロディ動画も多くの再生回数を獲得している[4]。
エルヴィによれば「It's Over 9000!」は、英語圏のインターネット文化において最も人気のあるフレーズの一つに数えられるほどの認知度を得ている[1]。2020年のゲーム『ドラゴンボールZ カカロット』にはこの象徴的なフレーズが登場しないが、ゲーム情報メディアのGame Revolutionのライターであるポール・タンブローは、制作会社は既存の英語版の吹き替えとの整合性をとるためにフレーズの修正ではなくそもそも出さないという判断をしたのだろうと推測している[5]。